はじめに ——夜明けを待つ、あなたへ
はじめまして。 13年前、私は看護師でした。
2012年の6月。ギラン・バレー症候群を発症し、自分の身体が動かなくなる恐怖の中にいました。
なぜ、13年も経った今、この記録を公開するのか。 それは、当時の私が「一番欲しかった言葉」を残しておきたいからです。
「がんばれ」という励ましではありません。「必ず治る」という無責任な予言でもありません。 ただ、「同じ夜を過ごした人間が、ここにもいる」という事実です。
この手記を書いている今、私の指は動きます。コーヒーカップを持ち、パソコンのキーボードを叩くことができています。 けれど、これを読んでいるあなたの指がどうなるか、私には分かりません。「私も助かったから、あなたも大丈夫」と、安易に約束できる立場にはいないのです。
だからこれは「回復の成功談」ではありません。 出口の見えない夜を、どうやって息をして、どうやってやり過ごしたか。その時間を、そのまま記録した「証言」です。
今、あなたが孤独の中にいるなら。 この記録が、あなたの長い夜の隣に、静かに座れたらと願っています。
【読む前にお伝えしたいこと】
個人の記録です:医療的な助言ではありません。症状への不安は必ず医療機関へ相談してください。
当時の感情を優先しています:呼吸が苦しくなる描写や、身体が動かなくなる表現が含まれます。
無理をしないでください:しんどい日は、読まずに閉じてください。
